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「新日本様式」100選

「100選」カタログ「100選」について「100選」選定を終えて
2007年「新日本様式」100選の選考は、2007年9月20日、都立産業貿易センター「台東館」にて入念に行われました。選考にあたった福川伸次氏を座長とする評議会委員のコメントをご紹介します。
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石井幹子 氏(照明デザイナー)

石井幹子 氏 昨年に引き続き今回2度目の審査を経て、新しく様々なものが加わった。モノだけではなく、アニメや映画といったソフトが入ったことは、正に「新日本様式」として、より魅力ある今日的なものとなってきたと思う。 今後のことを考えると、むしろ100 選と限定せずに、進めて行くことが望ましいのではないか。日本から世界に向けて発信出来るジャンルも、もっと広くありそうで、将来的なヴィジョンを踏まえ、より広範囲な対応も必要であろう。
市川海老蔵 氏(歌舞伎俳優)

市川海老蔵 氏

2年間で400余りの候補を拝見する中で、日本の伝統が様々な形で今に息づいている姿に感銘を受けました。

最終的に選定されたものを見ても、日本ならではの文化を最新の技術で提案したものや、世界に通用するハイテク商品など幅広く選ばれており、「新日本様式」100選が、日本の良さを皆様に再認識いただける良い機会になるのではないかと思っております。
コシノジュンコ 氏(ファッションデザイナー)

コシノジュンコ 氏 手わざ、最先端技術、合理的利便性、すべて伝統と歴史の中に洗練された優れた感性を追求した生活に必要な日本衣食住遊の、使い易さ楽しさ、美しさ、足し算と引き算のバランス。日本独自の本来の美しさでありこれこそデザインの原点である。
日本は素晴らしいと見える展示方法も、「新日本様式」でとりいれてはいかがでしょうか。
小泉誠 氏(家具デザイナー)

小泉誠 氏 日本らしい文化や技術を継承し、それを継続して新たな価値観を見いだしているものを探しました。文化や技術を継承し新たな考えのものは沢山ありましたが、継続という時間をかけた製品がとても少なかったのが残念でした。大きなメーカーであれ、個人であれ、継続することで見いだされた製品には安心感と信頼感がありました。
杉山知之 氏(デジタルハリウッド大学学長/工学博士)

杉山知之 氏 昨年の100選の選定から、この1年間、「新日本様式」を強く意識して世の中を見てきた。その効果ともいえるが、今年の選定では、最新科学技術応用により産み出されたプロダクトであっても、その制作過程の中に、いろいろな職人の21世紀的に研ぎ澄まされた手工芸的技術を感じることができた。そこにあるのは、何かを創造する場に臨むときの日本人の態度だと気が付いた。個人的には、それが100選を串刺す様式を産み出していると解釈して審査に臨んだ。選定結果を一同に見たとき、改めて日本人の素晴らしさに感激した。
曽我部昌史 氏(建築家/神奈川大学教授)

曽我部昌史 氏 二年目となった100選選定でしたが、新日本様式が備えるべき性格として求められることが、単に和風であるということではなくて、素材や状況などへの見立ての見事さや、その見立てを元に構想されたアイデアがスッと際立って見えていることなのだということが再確認されたように思いました。また今年は、伝統文化の保護や地震対策などといった、特有の問題への回答となっているものが、特に目に止まりました。
日比野克彦 氏(アーティスト)

日比野克彦 氏 選ばれた物には責任があるし、選んだ者にも責任がある。新しい日本の様式の輪郭線を浮かび上がらせようとしているこの百選は、今は産みの苦しみの段階である。この審査の対象となるものはきっと何百万点もあることだろう、その中から推薦されてきたものを審査するわけだが、肝心なのは何を審査会場に持ってくるかという段階である。その段階で輪郭線の大枠は決定してしまっている。巷から審査会場に汲み上げてくる機構を確立することが新日本様式百選の生命線であろう。
彦坂 裕 氏(建築家・環境デザイナー/(株)スペースインキュベータ代表取締役)

彦坂 裕 氏 いかなる場合でも、「フロント」に対する前向きの姿勢や可能性への挑戦が求められる。しかし、「フロント」を何として捉えるか、この問題設定こそが重要なこととして問われるべきことがらであり、それは現代において多様な相貌を見せる。昨年に加え、2007年のそれが加わることで、新日本様式が明確な輪郭を現したとは言えないが、この「フロント」の多様性故に、百選の行為もここしばらく博物誌的な渉猟に近いものになりそうだ。
廣田尚子 氏(プロダクトデザイナー)

廣田尚子 氏 新日本様式は現代日本人の「美意識」の輪郭を作っていくことだと考える。
伝統を守っていくためには、日本の美意識の基に常に洗練を繰り返していなければならない。
技術は時代に応じて開発され、新しい手法として活用されていくが、その開発の根源には「生活がこうありたい」という日本人としての美意識がなければ生まれないはずだ。
必然で意識するものと自然に湧き起こったものの違いはあるが、多面的に見ると共通した一つの輪郭が見えてくる。
今回の審査では、美意識の存在とその価値を評価基準とした。
福川伸次 氏(財団法人機械産業記念事業財団会長)

福川伸次 氏 「新日本様式」100選第2回審査を終えて、私は心地よい興奮を覚えた。選定された作品は、日本の文化と技術の深さと広さを強く訴えているし、「新日本様式」運動が定着する見込が感じとれるからである。作品の多くは、自然の中に育まれた美性と調和、そしてモノを大切にする価値観を見事に描き、最近高まりつつある感性価値重視の傾向に応えている。日本の「モノづくり」は「チエものづくり」へ、そしていまや「ユメづくり」へと昇華している
増村紀一郎 氏(東京藝術大学美術館館長・東京藝術大学教授)

増村紀一郎 氏 現在私たちが求めているものは、作り手の場所や顔がわかり、歴史があり、素材や技術が確かであること。使い手にとっては、心を豊かにし、密かな楽しみがある、そして持っていることを他者に自慢したい衝動を生み、さらに修理や修復が可能な品であると思う。これらの要求に、より近いものを評価の基準にしました。
宮城壮太郎 氏(デザイナー)

宮城壮太郎 氏 日本の産業力の先行きについていろいろ議論されていますが、グローバルに、気概を持って生き抜くためには、そして世界から尊敬される日本であるために は、単に量の論理、ローコストの論理ではない他の基軸が必要でしょう。その一つの答えがこの「新日本様式」にあるような気がします。日本人が本来持っている技や美意識、そして他人を思いやる気持ちなどを再構築し、それを生活の中に浸透させていく・・・ジャンルも幅広いし、それぞれ目指すところも異なりますが、審査を通じて、大きなベクトルとしてその基軸を感じることができました。捨てたモンじゃないぞ・・ニッポン。
山中俊治 氏(プロダクトデザイナー)

山中俊治 氏 自分はデザイナーとして「日本的」であろうとしたことはほとんどない。にもかかわらず作品が「とても日本的だ」と海外で評されることがある。それがなんなのかはよくわかっていない。私には新日本様式なるもの正体も見えないままだ。かたち、ふるまい、作法、美意識、表現形式など「様式」に関わりそうな言葉をつぶやきながら、今の自分の心に自然に響く日本製品、そして次世代にも残っていってほしい日本を選ぶことを心がけた。
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